住宅を考える 2

■高齢者に配慮した住宅


「バリアフリー」という言葉は1974年、 国連の「障害者生活環境専門会議」において、 『障害のある人々が社会生活をしていく上での障壁(Barrier)を除去しよう』という 報告書の中で使われた「バリアフリーデザイン」に端を発する建築用語として登場した。 日本においては「バリアフリー」の解釈を広義に捉えて、超高齢化社会に対応しなけれ ばならない事情である。しかし社会一般では「バリアフリー」イコール「段差解消」と いった狭義の捉え方が広がり、マスコミやハウスメーカーなどが安易な意味で使用している。 公共建築やその他の不特定多数の人々が使用する建築でさえ、段差解消のためのスロープや エレベーターだけに止まり本質の「バリアフリー」には程遠いものとなっている。又、 国や自治体の基準や条例も同じ程度である。世の中のすべての人に自由度の高い、安全で あるデザインを目指す必要があると考える。ベビーカーを押す母親や病弱な疾患者、 小さな幼児などはまだまだバリアは存在する。

住宅においての「バリアフリー」を考えると、その住宅に住む人が特定されているので、 公共建築とは異なる障壁が存在する。言い換えるならば「心のバリア」である。住宅は、 その敷地が住みなれた場所にあるのか、近所に訪れて来る人がいるのか、又たずねて行 くところがあるのか、といった人とのコミュニケーションが重要な要素である。そして 住む人にとって安らぎの場所でもあり、活力の生まれるところでもある。高齢者の心の 動きは消極的になりがちである。高齢者を社会の一員と捉えるならばその「消極性」が 「バリア」であり、心のアクティビティーが「バリアフリー」であると思う。段差解消 は必要であるが目標ではなく前提であり、それ以上にその住宅に住むすべての人がアク ティブである空間が住宅には必要であると考える。

■提案

  1. 思い出多い家具等の収納スペースを確保する。
  2. 高齢者の部屋は外部(社会)が見える場所に設ける。
  3. 近所の人が訪ねやすい屋外スペースをつくる。
  4. 不安定なスロープは設けない。
  5. 階段には踊り場を設ける。

■作品




玄関・上り框(右脇に小段を設ける)
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