住宅を考える 3

■環境に配慮した住宅


「人間は自然を保護すべきものでしょうか?」というように問いかけられた場合、 ほとんどの人は、今なら「はい」と返答するだろう。確かに地球温暖化や生態系 の影響等、又身近な事柄ではゴミの問題や省エネルギーなど、自然を対象にした 環境問題は山積している。ここで自然と人間の関係を少し考えてみると、19世 紀の産業革命の反動的に起きた「自然保全」という思想は、ユダヤ・キリスト教 圏内の西洋的思想である「人間は神の代理人として責任をもって世界を任されて いる」といった考えが基本となっている。人間中心的な自然観である。そして1 970年代になると「自然は本質的に価値がある」という人間非中心的な「ディ ープ・エコロジー」の思想が本流となる。「森林のなかにいると神秘的である」 とか、又「自然は美しい」といった精神的な価値をうたい「保全」から「保護」 へと変化してくる。いずれにしても「人間」対「自然」という二分法的な考えで ある。

現代の科学技術や人口問題といった経済的・社会的システムが今日の環境問題を 引き起こしたと考えれば、前述の西洋的な考えではこの環境問題は解決しないの ではないだろうか。非西洋である第三世界の森林破壊や砂漠化でトラブルを生じ ているのが現実である。だから最初に出した設問の「人間は自然を・・・」とい うような「人間」が「自然」に対して何かをするという考えでなく、人間は自然 に対して何も出来ないし、何もしない。ただ、人間と自然の関係性を非西洋的な 新たな思考枠組みのなかで人間は生活する。別の言い方をすれば「ある地域の人 々がその地域の自然を熟知し、生活の糧をその自然から得るシステム」といった、 緩やかな人間と自然の関係性を考えることが重要だと思う。

住宅においても、その住宅に住む住人が住宅における自然を熟知し、その自然か ら何らかの恩恵を受けるという考えが出来る。そうした自然を住宅に装置化する ことが環境に配慮した住宅だと考える。そのためには住宅を取りまく自然を意識 することから始めなければならないだろう。太陽光発電装置や省エネルギー対策 をすることは大気汚染を防ぎ環境に配慮することになるが、そのことだけに終わ ってしまう危険性がある。自然を意識できれば環境に配慮する技術的要素はその 住人の生活のなかからいくらでも工夫できる。住宅という小さな地域で自然と関 係性をつなぐこと、即ち「自然の自分化」が重要であると考える。

■提案

  1. 住宅の近くに「自然」となるものを配置する。
  2. その「自然」は少し手のかかるものとする。
  3. 人間は「自然」から涼しさや心地よさ等の恩恵を受ける。
  4. 住宅は自然の恩恵が意識出来る計画とする。

■作品



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