住宅について2

■「居間」を考える


「家には生活と結びつき、あらゆる記憶を呼び起こす作用があるようだ。 家や家財道具が変化して暮らしが変わると、人の考え方も変化していく んですね。」と岡野薫子氏が「記憶の中の家」で述べているように、住 宅は生活の具体的な行為の蓄積であり、人間の経験や記憶などといった 空間に起因する行為の複合体である。

住宅を設計するとき、彼らの行為がある種の絶対的場所(幼児記憶や体 験)からのものだとすればその行為の継続のためには新たな場所を抽象 化させ、相対化させなければならないだろう。 住宅の「居間」という場所が家族にとって「大切なシンボルである」と いう呪縛から開放し、無力化し、新たな属性を獲得しなければ彼らの行 為の継続はないだろう。

居間が外部とつながり外部の環境と同化し、各室の機能や要素が溢れ出 し居間としての機能が壊れ多様な要素と結びつくことにより抽象化され るだろう。関係をもった吹き抜けや無機能なタタミ空間などが視覚的だ けにとどまらず結びつき彼らの行為に起因する要素として居間が存在し なければならないと考える。逆の言い方をすれば個室や寝室・廊下など のあり方が居間の可能性を決定づけるといえるだろう。

今日の生活スタイルは刺激的であり、家族のあり方も明解ではない。人 の行為も変化し、住宅のなかの記憶も希薄である。今日、岡野薫子氏が いう生活と住宅の関係を呼び戻すための住宅を考えなければならないと 思う。


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